ピティナ・ピアノステップ

アドバイザーは手で語る 末松茂敏先生

アドバイザーは手で語る

連載第7回目は、ステップトークコンサートでおなじみの末松茂敏先生です。末松先生は、その確かな演奏と、温かいお人柄のにじみ出るようなトークで大人気の先生です。4月5日の春休みトークコンサート祭り」にもご出演予定。ぜひご来場ください。。

末松茂敏先生
すえまつしげとし◎東京藝術大学附属高校を経て、同大学卒業。同大学大学院修士課程修了。ハンブルク音楽大学卒業。第9回ピティナ・ピアノコンペティションG級入選。第60回日本音楽コンクール入選。エリーゼ・マイヤーコンクール(ハンブルク)第2位。第17回飯塚新人音楽コンクール大賞受賞。芸大オーケストラ、バルトフィルハーモニックオーケストラ、シベリウス音楽院交響楽団、岡山若い芽のオーケストラ、倉敷アカデミーアンサンブル、栃木県交響楽団等と共演。日本ショパン協会、ヴァン・クライバーン日本委員会の主催のリサイタルをはじめ、日本、アメリカ、ドイツにてリサイタルを開催。ピアノを阿久津佐智、小林仁、御木本澄子、西田理恵、フォルカー・バンフィールド、クラウス・シルデの各氏に、音楽理論を古曽志洋子、法倉雅紀の各氏に師事。アンサンブル・ヴァリエのメンバー。横浜音楽文化協会会員。当協会正会員、同演奏研究委員。現在、フェリス女学院大学講師、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校講師。
末松茂敏先生
ドイツ音楽への造詣

4月5日の春休みトークコンサート祭りでは「ベートーヴェン」をテーマに演奏してくださるそうですね

はい、ソナタ「月光」の第1楽章と「熱情」の第3楽章を演奏する予定です。私はベートーヴェンをはじめ、バッハやシューマン、ブラームス、オーストリアも含めるとシューベルトやモーツァルトなど高校時代から一貫して「ドイツもの」が好きですね。高校卒業の頃から将来ドイツに留学したいと思っていまして藝大の大学院の時、休学して、ハンブルク音楽大学に入学しました。。ドイツ語の響きは温かみがあって好きですね。ドイツの音楽も同様と思います。 あとはやはりショパンですね。何と言ってもメロディーの美しさが秀逸です。個人的には、マズルカやポロネーズなど聴く者の心に強くうったえかける作品に惹かれます。

末松先生は、ピアノソロだけでなく、室内楽、2台ピアノや声楽伴奏など幅広く演奏活動をされていらっしゃいますね。月3?4回ほど本番があるとうかがっていますが?

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私としては、演奏:指導=6:4くらいの意識です、若干演奏に対して重きを置いているかたちでしょうか。ソロだけでなく、アンサンブルの機会も多いですね。中でも天満敦子さんとのヴァイオリンのデュオは、2003年から約年3回のペースで行っており、今年で7周年を迎えます。私にとって重要な共演機会のひとつです。天満さんとのデュオの魅力は、「自分ひとりでは到達しえない世界に行くことができる」ところでしょうか。同じ瞬間に音楽を共有することで、自分の持っているものを広げてくれるのです。天満さんの大きな音楽の世界の中で私が自由に泳いでいるような、一人で演奏している時には気がつかなかった自分の持っている感性を引き出してくれるように感じます。

指導現場での体験がそのまま演奏活動への肥やしになるということはありますか?

それはあります。私は、高校、大学で学生を中心に教えていますが、彼らの懸命な姿勢から大いに刺激を受けています。自分もこの情熱を持って演奏に向かいたいなと。 そのほか具体的なところでは、指導していると、演奏する上での自分の苦手とするところ、弱点が見えてくるのですね。例えば、作品の分析力が欠けているのではないか、とかこの作曲家に対する知識が不足しているな、とか。 指導の場でも、コンクールやステップの場でも、学生たちの演奏というのは、自分の後輩の演奏という気持ちで聞いています。また聴いている方が感動してくれる演奏というのは、自分を出そうとする演奏なのではなく、音楽を伝えることに集中した無心になったときの演奏なんですよね。「自分の演奏」に気をとられる学生時代には、なかなか気づくのが難しいことではあると思いますが、常に、作品の持つ美しさ、音楽そのものを伝える演奏をと心がけています。

トークコンサートでは、私の演奏に子どもたちがすうっと自然に入ってきてくれる

ステップのトークコンサートを既に10回してくださっていますが、いかがですか?

私は小学校でコンサートをやることもありますが、ステップのトークコンサートとは少し反応が違うように感じます。それは、コンサートの聴き手が、ピアノをやっているかどうかという決定的な違いに起因しているのではないかと思います。小学校でのコンサートでは、ピアノを習っていない子どもも多いので、まず指が鍵盤の上を素早く動くことに驚くようです。ショパンの幻想即興曲などは特に注目度が高いですよ。 一方、ステップのトークコンサートは、私の演奏にすうっと入ってきてくれる気がして弾きやすいですね。ピアノに対してもともとの知識や興味があるからでしょうね。きっと「きれいな曲だな」などと作品の魅力を感じたり、演奏するときの体の使い方や息遣いなんかもそれぞれの視点で捉えてくれているのではないかと思います。特に手ごろな大きさのホールだと反応をダイレクトに感じやすいです。印象に残っているのは、3年前に静岡県伊東ステップでのトークコンサートです。アドバイザーの武田一彦先生とヨハン・シュトラウスのラデツキー行進曲を連弾で演奏したのですが、客席のお客さまから自然と手拍子が始まって会場全体が一体となって盛り上がりました。その流れで初めてのアンコールまであったんですよ。コンサートが終わった後に、お客さんのお1人が「遠くからここまで来てくれてありがとうございました」とわざわざ伝えに来てくれたのが非常に嬉しかったですね。

【コンサート情報】

2009年5月14日(木)19:00開演 ※天満敦子氏と共演

  • フィリアホール
  • 問合せ/アンサンブルS(末松)
  • TEL&FAX:042-729-7531

2009年5月19日(火)19:00開演 ※中一乃氏、小笠原茅乃氏と共演

  • カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」
  • 問合せ/TEL:045-962-8227
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