下村泰斗さんが継続表彰100回を受賞
2016年9月3日に行われた虎ノ門ステップにて、下村泰斗さんが
継続表彰100回を受賞されました。
2000年に初めてピティナのステージ(コンペティション東京G級1次予選)に立った下村さん。以降、西日本エリアを中心に、お住まいの福岡から各地に足を伸ばして参加を重ねてきました。実は下村さんのお仕事は、精神科のお医者さん。出張が決まると、行先で開催されるステップに申し込むのが恒例になっているそうです。
「ただ音楽だけがそこにある空間を創り出すこと」を目標に、ピアノに取り組む下村さんが今回演奏したのは、ブラームスの「左手のためのバッハのシャコンヌ」。初心に帰る意味で、これまでに最も多く人前で演奏してきたこの作品を選びました。真摯に音楽と向き合い続ける姿に、会場は賛辞の拍手で満たされました。
もともとアガリ症で、月に1度は舞台に立っておかないと人前に出るのが怖くなるので、定期的にステップに参加するようになりました。当初は別の本番のためのリハーサルという感覚が強かったのですが、出演回数を重ねるうちに見知らぬ方にも自分の存在が知られるようになりました。すると、いかなる時でも「人前での演奏に、リハーサルなどない」と感じられ、1回1回の舞台に対する意識が高くなったと思います。
ステップへの参加を通じて素敵なピアノやホール、美しい音楽との出会いや、音楽仲間や先生方との出会いに恵まれました。中でも、100回目の表彰をしてくださった小原久幸先生との出会いが印象的です。身体の使い方に悩んでいたころの自分に、言葉を尽くして演奏哲学を教えて下さった小原先生は、ピアノだけでなく生き方を教えて下さった師匠の一人です。