アドバイザーは手で語る 松波知子先生
Vol.2
ステップの開催は年間約550地区。のべ1,800名に及ぶ先生方がアドバイザーとして各地へ飛び回っています。
音楽と人生を共に歩む参加者を「応援」したいというのがアドバイザー、そしてステップの在り方。その想いの根源は先生によって様々です。
松波 知子先生(正会員/岐阜県)
今回ご紹介するのは、2006年よりアドバイザーとして活躍されている松波知子先生です。松波先生の生徒さんたちはなんとこれまでに650回以上ステップに参加しています。ステップという発表の場をどのように活用されていらっしゃるのでしょうか。指導者とアドバイザー二つの側面からお話を伺いました。
- メッセージの使い方
- アドバイスを書く際には、ステップ後のレッスンで先生と生徒さんが一緒にステージを振り返ることができるようなコメントになるよう心掛けています。私自身も生徒のステップが終わったら最初のレッスンで一緒にメッセージ用紙を読むようにしているからです。先生から受け取った言葉の意味を確認し、直す部分を実際に弾いておさらいすることで次に繋げていって欲しいと思います。
- アドバイザーの役割
- アドバイザーもステップの雰囲気を作る、いわば「主催」の一人です。誰もがこのステージに立って良かった、この地区は楽しかったと思ってもらえるよう心を尽くしていきたいと考えています。これから自信をつけていきたい人も、試験前で厳しいアドバイスがほしい人も、少しの勇気を持ってステップのステージに参加してください。そこにはもっと自由に音楽を楽しめる世界が待っています。
- 「継続」の尊さ
- ステップの魅力は個人のレベルではなく、継続に焦点をあてて表彰してもらえる点です。実は、「ピアノを続けていること」を認めてもらうというのは大変貴重な経験です。プロやコンクールで良い成績をおさめる一握りの人以外は、日常生活でピアノを弾いていることとその努力を認めてもらえる機会はごくわずかです。たとえば、学校や部活で忙しい合間をぬってピアノを続けている高校生は見えづらいその「両立している努力」を認めてもらえます。人生におけるピアノ、そして音楽のウェイトが違っていてもそれぞれが同じ音楽を愛する者として尊敬しあえる関係になることはとても素晴らしいことです。