冬の気配が日に日に濃くなるこの時期、ステップの会場では受験や試験を控える学生さんの熱のこもった演奏を聞く機会も多くなります。今回は、大切な本番前のリハーサルとしてステップを活用している参加者・指導者にインタビューを行いました。

昨年は高校受験に向けて、本番の10週間前・8週間前・7週間前と3回ステップで演奏しました。さらに本番4週間前と10日前には、師事している先生の勉強会にも参加しました。
ステップに出ようと思った理由は、日々の練習の成果を確かめたかったのと、舞台慣れのためでした。3回参加したことで、本番の緊張感を十分に感じることができたと思います。またアドバイザーの先生方のコメントによって、自分の課題を客観視することができ、日々の練習も頂いた課題を意識して取り組むことができました。おかげで本番直前には自分の演奏に集中できるようになったと思います。
今年も実技試験前の準備として、ステップには参加し続けています。1月の紀尾井ステップは学校の実技テスト2週間前ですので、ホール全体の響きを意識しながら自分の世界観を作り上げた演奏ができたらと思います。

受験生に限らず、生徒にはピアノの本番のほか、学校行事の予定をまとめた年間スケジュールを書いてもらい、共有しています。受験生には、毎月1回は何かしら本番を設定しようと話していて、空いている月があると、どちらともなく地区を探し始めます。
本番前にステップに参加する意義はいくつもありますが、「自分の音をよく聴けるようになっていく」ことは大きなプラスです。普段のレッスン室と本番の舞台では、演奏するピアノも響きも全く違います。その違いを瞬時に捉えて対応する力を磨くには、ステージに立つのが一番の近道。それにホールで弾く機会が多いほど、普段から舞台を想定した質の高い練習ができると思います。 また、ピアノ学習者にとっては「出会う先生方のどのようなアドバイスも自分の血肉にできる」ことも重要です。様々な角度からの指摘に対し、意図を適切に理解し自分の中で消化する力を身につけるには、複数の先生方からコメントをいただけるステップが有効です。参加する生徒には、「普段のレッスンで既に言われたことではなく、新しいアドバイスをいただけるようにしようね」と伝えています。