アドバイザーは手で語る 日下部満三先生
ステップの開催は年間約500地区。のべ1500名の先生方がアドバイザーとしてご協力くださっています。アドバイザーの先生方が何を思い、感じ、アドバイスを記すのか、その根源を探ります。
アドバイスにあたっては、参加者の個性や成長の幅を見極め、曲に傾けた努力や時間を受け止めて対話することを重視しています。また、作曲家という立場を踏まえ、メッセージでは楽譜から情報を読み取る方法に触れるようにしています。例えば、「エリーゼのために」を聞いて、冒頭の半音の間隔を狭く感じて弾いてほしい、と思ったとしても、結果のみを文字にするのではなく、和音の中で2つの音がどんな関係にあるかを説明し、なぜその方がいいのか、ということを併せて伝えるようにしています。
ピアノはとても頭を使う楽器ですから、ただ漫然と弾いているだけでは沢山の情報を同時に処理しきれません。見知らぬ街で地図を見ずにさまようよりも、地図を読んで理解して散歩する方が、思うままに足を伸ばせるのと同じ。楽譜をアナリーゼして頭を使うやり方が分かってくると心が自由に演奏することができると思います。
♪参加者の皆さんへメッセージ
音楽を表現することは全ての人に与えられた自由だと思います。基本的にはやっていけないことはないのですが、あまりに自由すぎて作曲家の思い描いた姿とかけ離れてはいけません。そこで、楽譜から何を読み取るか、具体的なモチーフやハーモニーを説明してみなさんがより音楽を身近に感じるようにお手伝いしたいと思います。作曲家が曲を作るときに何を考えたか、一緒に想像できると愉しいですね。
(会報310号より)
あなたがこれまで受け取った中で心に残っているアドバイザーのメッセージや、アドバイスに関する印象的なエピソードや要望がありましたら、ぜひお聞かせください!
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