ピティナ・ピアノステップ

アドバイザーは手で語る 今川裕代先生

アドバイザーは手で語る

ステップの開催は年間約500地区。のべ1500名の先生方がアドバイザーとしてご協力くださっています。アドバイザーの先生方が何を思い、感じ、アドバイスを記すのか、その根源を探ります。

今川裕代先生(正会員/東京都)

地域一体となって音楽を楽しむということ

ステップの会場を訪れて印象的だった点は、多くの方々に見守られ和やかな雰囲気で行われている、ということでした。アドバイザーとして2015年には穴水、枚方秋季地区へとお伺いしましたが、いずれも会場には参加者だけでなく、そのご家族や指導者の先生方がたくさんいらっしゃっていました。穴水ステップでは、当日の様子から実施事務局の先生方が子供たちや音楽へ深く愛情を注がれていることがよく分かりましたし、地域に音楽文化を根付かせるために奔走されている姿に心打たれました。

会場、参加者、参加者のご家族、指導者と人との繋がりを通して盛り上がることができる、それがステップの良さなのだと思います。そして、ステップに参加される方にとってステージに立つことの意義は、普段と違う空間で弾く経験ができることが一つ挙げられます。会場によって音の響き方は変わるので、タッチの使い分けなど自分の演奏スタイルを変える必要があるのだ、ということに気が付くことができます。

普段とは違う、広い空間で演奏する楽しさも感じてほしいですし、やはり 「音楽を誰かに聴いてもらえる喜び」を是非体験してほしいと思っています。また、個人的にはコンサートよりも気軽に音楽が楽しむことができる場は大事にしていきたいと考えています。確かに、有名な曲や有名な演奏家を目当てにコンサートに出掛けるのも一つの楽しみ方です。

しかし、演奏家ともっと距離感の近い関係があってもいいのではないでしょうか?たとえ「幼いピアニスト」だったとしても、一人の演奏家の成長過程を見守りつつ、演奏、考え方と合わせて応援するような、そんな音楽の楽しみ方ができる場が増えていってほしいと願っております。

(会報324号より)

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