ピティナ・ピアノステップ

アドバイザーは手で語る 内海啓子先生

アドバイザーは手で語る

ステップの開催は年間約500地区。のべ1500名の先生方がアドバイザーとしてご協力くださっています。アドバイザーの先生方が何を思い、感じ、アドバイスを記すのか、その根源を探ります。

内海啓子先生(正会員/新潟県)

音楽を通して「楽しむ」ことを学ぶ

アドバイザーとして訪れる全国各地のステップでは、様々な出会いと学びがあります。ステップに携わるスタッフ、そして指導者の皆様の溢れる熱意や参加者の真摯な演奏を見て、こんなにもピアノを通して多彩な音楽を学ぶ事ができるのかと、驚くことも少なくありません。 ステップに参加される方々は一日、この瞬間が満たされた思いで会場を後にされることでしょう。参加者の60字コメントとともに「瞬間」の連続であるその方の音楽を聴かせていただく際には、まるで宝物をいただいているような気持ちになります。

長年ピアノに携わり、シンプルに大切なことは<楽しむ>に行き着きます。楽しむことは色々な段階があり、そのための知識、学習、演奏力、人生力が必要ですが、ステップでの出会いはまさにそんな勉強をさせて頂いているようです。

私の生徒達もコンペやステップに毎年参加し、音楽が大好きな社会人に成長、活躍しております。ほんの一例ですが、現在演出家とダンサーをしている元生徒さんが今年1月香港で有名な交響楽団とストラビンスキーの曲でコラボをしてきた、と動画を見せてくれまし た。ピアノ演奏会プログラムとして様々な分野との共演が当たり前の昨今ですが、<それで良いのだよ>と位置付けたのが、ピティナのステップだと思います。

アドバイザーとして心がけていることは、将来を担う参加者の一人一人を大切にすることです。大人になってからピアノを始められた方々の日々の大変さに思いを馳せつつ、一緒に音楽を学ぶものとして、少し先輩として、人生の音楽を楽しむお手伝いができればと思っています。レッスンではこんな仕上がりだったのかしら、こんな風に弾きたかったのでは?と想像しながらメッセージ用紙を書いております。 加えてステーションの先生方のエネルギーとアイディアに毎回、拍手を贈りたい気持ちで一杯です!このようなステップにアドバイザーとして関わらせて頂き、責任と幸せを感じております。

(会報327号より)

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