ピティナ・ピアノステップ

アドバイザーは手で語る 今野早苗先生&菅生晴美先生

ドゥー・フルール
今野早苗・菅生晴美先生

トークコンサートアドバイザーのインタビュー第2回目は、今野早苗先生&菅生晴美先生(ドゥー・フルール)をお迎えします。とっても仲良しなお二人ですが、それは20年ほど前ピティナ・ピアノコンペティションの審査で一緒になったことがきっかけだとか。4年前には、横浜ひまわりステーションの立ち上げと同時にお二人でデュオを結成。これが「私たち先生もステージに立ちましょう」という現在の横浜ひまわりステーションのコンセプトにもつながりました。フランス語で「二つの花」という意味のこのユニット名は、明るく華やかなお二人の雰囲気にぴったりです。

今野早苗先生:当協会正会員、課題曲選定委員/菅生晴美先生:洗足学園音大講師、当協会正会員、PTNA横浜ひまわりステーション代表(2人のユニット名は「ドゥー・フルール」)。

ジャンルにとらわれないレパートリー

ドゥー・フルール演奏

「ドゥー・フルール」の演奏曲目は、クラシックに加え、ポピュラーもありますね。「ウエストサイドストーリー」や「サウンドオブミュージック」などミュージカルの曲、ジブリやディズニー、J - POPまで幅広いレパートリーが魅力ですね。選曲はどのようになさっているのでしょうか?

今野先生(以下、今野):演奏プログラムを考えるのには、非常に時間を費やします。私たちは、トークコンサートが決まると本番まで週1回会って練習したり打ち合せたりしますが、その半分を選曲の時間が占めるのではないでしょうか。楽譜を二人分準備し、まず音を出すところから始まります。デュオは音を出してみないとわからないですからね。

菅生先生(以下、菅生):実施事務局側からは、子供からお年寄りまでみんなの知っている名曲を、という要望がほとんどです。聴けば、「あ、この曲ね」というような。あとは、時代の流れにそった曲、流行ってる曲ですね。一青窈さんの「ハナミズキ」や韓流ドラマの「冬のソナタ」など。ジャンルにとらわれず、「心に訴えかける曲がいい」というスタンスで選びます。

今野:私はコンペ課題曲選定委員を任されていることもあって、アレンジものに手をつけることに正直抵抗があったんです。でも、こうやってトークコンサートを通じて、アレンジャーによってとても素敵な曲もあるんだな、と発見したことで、幅が広がったと思います。

菅生:そうなんです。同じ曲でもアレンジャーによって全くニュアンスが違うので、その中で私達の感性にピッタリ来るものを選ばせていただいてます。 今野:トークコンサートのお客様には様々な方がいらっしゃいますから、何よりもまず「その場にいる方々に楽しんでもらいたい」と私自身の気持ちが変化してきたように思います。

アドバイザーから演奏モードへリセットする

ドゥー・フルール演奏

ステップのアドバイザーをしながら、その合間にトークコンサートをする、ということは非常に大変なこととお察しします。その切り替えはどのようにされているのでしょうか?

菅生:それは実は本当に難しいことなんです。例えば、講評を書きながら「後10分後に演奏の出番があるな」となると、こっそり手をあたためて指を動かしてみたり、なんてスタンバイしています。でももちろん皆さんの演奏が上の空、なんていうことはありませんよ(笑)しっかり聴いています。あと私たちは、必ずトークコンサートの際にはドレスに着替えます。いつも色違いのおそろいのドレスなんですよ!着替えることは、実は「演奏モード」になるようリセットできるという重要な意味もありますね。

今野:私にとって一番難しいのは、演奏する前、曲に集中する時間がなかなか持てないことですね。弾き始めのテンポ設定、そしてその状況の中で、二人の呼吸も合わせることが本当に難しいですよね。

演奏の幅を広げるデュオ

ドゥー・フルール演奏ステージにて

トークコンサートをしてくださるアドバイザーはソロの方が大半ですが、デュオの難しさ、あるいは逆に良さというのはどこにありますか?

菅生:デュオの難しさは当然のことですが、自分の考えだけでは弾けない、ということです。気分が乗ってテンポを上げたり、高らかに歌い上げたりしてしまうと、もう1人が取り残されますよね。ですから、意思を相手に伝えながら、そして相手がどう弾きたいかに反応しながら弾く、ということですね。プリモとセコンドのバランスが命なので、ピアノやボールが毎回変わることはかなりスリリングですよ(笑)。

今野:デュオの良さということでは、絶対一人ではできない音の幅ができるということですね。二人だからこそできる曲、例えばロックのリズムを刻みながらメロディーを歌うというようなことってなかなか一人じゃできないですよね。二人でやるからこそ演奏する曲のジャンルの幅が広がるのだと思います。

今野:トークコンサートを行うことはメッセージ用紙という一枚の紙を通じての交流だけでない、アドバイザーの先生がニコニコ話しながら、自分たちと同じピアノを弾くことで身近な存在に感じるんじゃないかなと思います。

菅生:ステップでトークコンサートをした後、あるピティナの会合でステーションの先生方にお会いしたときに「あれからデュオをする子が増えたんですよ」なんてお声を頂いたことがありました。とても嬉しかったですね。これからもデュオをする方が増えることを願っています。ピアノデュオは、もっとも気軽にできるアンサンブルですから。

今後の予定

「ドゥー・フルール」演奏スケジュール

11/18むつ(青森県)青森支部 会場:下北文化会館大集会室
12/23金沢冬季(石川県)金沢ステーション 会場:石川県文教会館
3/15、16石垣(沖縄県)サザンステーション 会場:小劇場アトリエ游

横浜ひまわりステーション イベントスケジュール

◎11/10 、11 横浜上大岡ステップ開催
◎3/22ステーションの先生方によるコンサート実施
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