ピティナ・ピアノステップ

わたしのステップ遍歴 vol.1 岡嶋拓也さん

わたしのステップ遍歴
vol.1 岡嶋拓也さん

社会人として、果敢にステップ、コンペに参加。コンペのグランミューズ部門では昨年、全国決勝大会に入選され、この3月に横浜港北地区のステップで30回表彰を受けられた岡嶋拓也さん。

4月26日の継続表彰コンサートでは、ショパンのスケルツォ第3番を披露されます。新企画インタビュー「私のステップ遍歴」の初回は、そんな岡嶋さんのステップ活用術を探ってみました。

岡嶋拓也さん(グランミューズ会員)2008年4月26日 継続表彰コンサート

お仕事を持ちながら、これだけのハイペース(2007年度以降だけで17回)で参加されるのは大変なことです。継続と上達の秘訣は何でしょう?

子どもの頃からピアノは続けてきたわけですが、練習をちゃんと満足いくまで十分時間をかけて出来ていた頃は、そういう観点で問題を感じることはありませんでした。 しかし、社会人になって時間的に追い込まれるようになってから、曲を表現するということについて、初めて頭で考えるようになったと思うんです。つまり、弾くだけが、指を動かすだけがピアノの練習だろうか、とかね。それから、やはり重要なのはスケジュール管理です。 たとえばHakuju Hallのコンサートに出演する、という現実的なニーズがあります。その大きな目標に対して、段階を踏んで仕上げていくためにステップを何回か受けていく。申込をするかどうかを、1ヶ月前の締切日までに決める。すると、練習して、ステップに参加して、反省や発見をして、というサイクルが設定される。 でもこうしてスケジュールが決まれば、あとはやるだけなんです。私、決して自分に厳しくはないのですが、ステップというチェックポイント、あるいは強制力があるおかげで、無理なく無駄なくステップアップすることができていると思います。

なるほど。ステップが「階段」というよりは岡嶋さんにとって「動く歩道」になっていれば幸いです(笑)。改めて振り返ってみて、何か大きな出会いや発見があったら教えてください。

たくさんあるんですけれども、今日はここに二つのメッセージ用紙を持ってきました。 一つはステップのおかげで師事することになった、多喜靖美先生のものです。2005年の小金井地区で参加したんですが、それが私にとっては2回目の「室内楽ステップ」でした。 実は1回目の室内楽ステップでも多喜先生がアドバイザーで、そのとき選曲に関してアドバイスいただいたんですね。もうちょっと基本的なことが学べるやさしい曲を選んで、地に足を付けて取り組んでみては、と。

それで2回目も多喜先生がアドバイスする地区を選んだ。これだけ色々な評価を書いていただいたので、終了後に少しお話をしたような記憶があります。私にとって、2回目にどういう経験をしたか、というのが重要で、今から思えばこのときが、3回目、ひいてはその後も室内楽の学習を継続的にやるかやらないか、という大きな分岐点でした。

意識して、あえて同じアドバイザーに、連続してアドバイスをもらったわけですね。

ステップの場合、申込時にWebでアドバイザーをチェックできますから、同じアドバイザーに評価いただくことが可能です。さらに1年後にはまた同じホールでやる可能性が高いということで、自分の歩みを確認していくには格好の条件が揃っています。 もう一つが、2006年の八王子ステップ、こちらは渡部由記子先生のメッセージです。 この先生は毎度毎度、全員の方に、ほとんど裏まで使ってコメントを書かれる。「こんな真剣に聞いてくれる人がいるのか!」と驚きを感じて、いつも先生がアドバイスする地区はチェックしています。でも申し込もうと思ったらすでに定員オーバーだった、なんてこともありましたが・・・。 縁あって、昨年の日比谷ゆめステーションの継続表彰コンサートに出演いたしました。あの浜離宮朝日ホールで演奏ができたんですよ。

最後に、岡嶋さんにとって「ステップとの出会い」とはどのようなものでしょうか。

大げさに言えば、ピアノ人生が変わってしまったということなんです。 私にとってピアノを弾く目的は、「コンサート会場でお客様に聞いてもらって、音楽の素晴らしさをともに分かち合うこと」というイメージがずっとあるんですね。

ところが、普通、そういうことはプロにしかできないじゃないですか。ふだん、私たちはCDで室内楽や他楽器との共演を聴きますが、これまた、プロでなければなかなかそんな演奏のチャンスはない。 アマチュアにはプロと同じことができないのか・・・。このままインドアな暗い趣味の世界にとどまるしかないのか・・・(笑)、という思いが潜在的にずっとあったんですが、そんな「もやもや」がステップとの出会いによって、一気に晴れていった、ということです。 遠方のステップに参加すれば、演奏旅行気分だって味わえるわけで・・・(笑)。だから、「出演料」さえ払えば、憧れのプロの世界がアマチュアにとっても正に現実化しちゃう、という意味では、本当に面白くてしょうがないですね。

Hakuju Hallでの演奏を楽しみにしています。今日はありがとうございました。

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