ピティナ・ピアノステップ

遊び心で、ジャズに親しむ - 2008年度新規課題曲紹介【4】

第4回目は、スイング・ジャズを中心とした6曲をご紹介いたします。解説は、課題曲選定委員の佐土原知子先生です。 19世紀末に、アフリカからアメリカに渡った黒人の間に広まっていたラグタイムやブルースといった音楽に、即興演奏の要素を加えたものがジャズの原点です。その後、ディキシーランド・ジャズ→スイング・ジャズ→ビ・バップ→モード・ジャズ→フリー・ジャスとよリ自由なスタイルヘ発展していきました。

演奏のポイントは“アフター・ビート”!

クラシックとジャズの大きな違いは、“アフター・ビート”と、1拍を3連でタータ、タータと感じることでしょう。“アフター・ビート”とは、偶数拍または弱拍のことで、4ビートの場合、2拍目・4拍目にアクセントを置きます。(但し、初期のラグタイムやディキシーランド・ジャズでは、奇数拍または強拍にアクセントを置きます)。また、1拍を3つ(3連)に感じることで、ジャズ特有のスイング感が出ます。

レベル 曲目 作曲者名 楽譜
応用2 茶色のこびん アメリカ民謡(丹内 真弓編曲) ポピュラー・ピアノ・レパートリー
ジャズ・ピアノ・インストゥルメンツ(CD付) ポピュラー・ピアノ・アルバム1:ドレミ
元はアメリカ民謡ですが、グレン・ミラー の演奏で有名となりました。小学校の教材にも取り上げられており、誰もが知っている人気の曲です。
応用2 ビーバップ ホップ C.ロリン キャサリン・ロリン ジャズ!ジャズ!ジャズ!:全音
ロリンは、アメリカの作曲家ギロック(1917-1993)の友人であり、その影響を強く受けた作曲家の一人です。
応用5 アメリカン・パトロール F.ミーチャム(久 隆信編曲) スウィング・ジャズ名曲集(CD付):シンコー
作曲者ミーチャムのもっとも広く知られている曲で、1885年にパトリック・ギルモアのバンドのために書かれたマーチ。原曲は吹奏楽曲です。応用2課題曲の「茶色のこびん」同様、グレン・ミラーオーケストラの演奏なども参考に。
応用7 アップタウン・ブルース ギロック ギロック ジャズスタイル・ピアノ曲集:全音
「シンプルで無限に広がる豊かな音、子どもの指にやさしく、おとなの心にやさしい」といわれるギロックの作品は、指導者にも学習者にも大変人気があります。
発展2 エンターテイナー(4手) S.ジョプリン(デュエットゥ編曲) デュエットゥ 踊る連弾・歌う連弾:音友
1902年にスコット・ジョプリンによって作曲されたピアノのためのラグタイム楽曲。
発展3 A列車で行こう B.ストレイホーン(丹内 真弓編曲) ラウンジ・ピアノ・セレクション カクテル・バー編(CD付):ドレミ
1941年にビリー・ストレイホーンが作曲したもので、「A列車」というのは、 ここでは元曲のリズムとは違って、カッコよい"ブギ・ウギ"でアレンジされています。

次はいよいよ最終回です。お楽しみに。

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