多喜 靖美 先生◇アドバイザーshort interview
ステップ・メッセージ枚数ランキングの第10位は多喜靖美先生です。2007年7月から2008年6月までの1年間に11地区でアドバイスをされ、848枚のメッセージをお書きになりました。
博多南、熊本秋季、碧南、弘前、仙台北冬季、島原、小金井春季、横浜港北3月・・・。多喜先生がアドバイスに行かれた地区の共通点といえば、そう、室内楽のアンサンブル企画を行っていることですね。
一度この企画を行った地区は、「次回もぜひ!」と多喜先生に指名がかかるため、結果的に多喜先生は同じ地区を何年も続けて見ることなっています。
「同じ地区に行けるので、地域のみなさんのステップへの関わり方がよくわかります」という多喜先生。先生によれば、ステップはもはや発表会、検定、コンサートという枠を越えて、「文化活動」というにふさわしい、のだそうです。
「ステップは、誰でも参加してOK、という側面と、志を同じくする人たちが集う、という二つの側面がありますよね。私は、今後は後者の側面を強調して、もっと特色の有る地区がどんどん出てきてよいと思います」
地元の若手音楽家や、地元で開催される音楽祭をも巻き込むようになったステップ。しかしその活動はあくまで「地域」という枠で限定されることも事実。そこでアドバイザーの果たすべき役割が、「異質なものを持ち込む」ということです。
アドバイザーが各地で出会ったアドバイザーにアイデアを渡したり、地元に帰って広めたり・・・。ステップが行われるごとに、何か必ず異質なものが持ち込まれ、持ち運ばれる。こうして「文化活動」であるステップが、「地域」という枠を越えて、つながっていきます。お話を伺いながら、多喜先生の行く先々で、「交流の渦」が生まれているのが、目に見えるようでした。