【ちびっこ実施レポート】大阪城
5月9日(日)、大阪城ステップで、「ちびっこのためのステージ」1地区目の開催がありました。見学されたおかやま白桃ステーションの先生方によるレポートと、実施にあたった中田元子先生によるコメントです。
レポート(大本茂斗子先生・若山りか先生/おかやま白桃ステーション)
実施者のコメント(「開催を終えて」中田元子先生/大阪城ステーション)
今回の地区の特徴は…
ちびっこフリーステージ
導入ステップチャレンジ前の段階の参加者は
ピアノ歴:ピアノをはじめて7ヶ月目
年齢:3歳1名・4歳2名
「ファミリー連弾コーナー」開催
ピティナのホームページで先日紹介されたピアノステップの新しい試み「ちびっこフリーステージ」に強い関心を抱いた私どもおかやま白桃ステーションスタッフは、是非生のステージを見てみたいと、最初に行われる大阪城地区のピアノステップへ二名が代表で行って参りました。
5月9日(日)初夏を思わせる快晴の空のもと、ちょうどお昼時に会場の大阪府立男女共同参画青少年センターに着いた我々はまず一階のレストランへ。食事をしながら、ちびっこステージに出演するちびっこたちのお食事風景も垣間見ることができました。「ほら、食べないとお腹すくわよ。緊張しなくても大丈夫!」と、お母さんやおばあさんに励まされて食事をやっと口にしている子、楽しそうにデザートまで頼んでいる子など。
さて食事も終わり、ホールのある8階へ。 笑顔で三人の先生が受付でお出迎えです。しばらくすると受付が始まりました。「お願いします」と自分で受付表を差し出す子、お母さんが受付を済ませる様子をうしろからのぞきこんでいる子‥どの子も初めて目にする赤いパスポートに興味津々のようです。 舞台袖で、すでにちびっこのスタンバイに入っておられる大阪城ステーション代表の中田元子先生に挨拶をし、我々は客席へ。 ちびっこステージが始まりました。先生のピアノ「ミッキーマウスマーチ」に合わせてプログラム1、2、3の三人の子供達が中田先生と一緒に手をたたきながら歩いてステージに登場しました【動画1】 。
ピアノに合わせておじぎをした後、一人の子が先生と連弾。ちびっこは片手で「ひびくよフォルテ」(湯山昭作曲)を演奏【動画2】 。
二人のちびっこはそのピアノに合わせて中田先生と二分音符「ターアーターアーターアースンスン」と言いながら手でリズム打ちをします。連弾が終わると三人並んで鈴二人、ウッドブロック一人でリズム合奏。先生の弾く「崖の上のポニョ」に合わせて四拍子、四分音符のリズムを刻みます【動画3】。
そして二人目のちびっこの連弾は「ダンスをしに2頭の小グマがやってきた」(ポーランド民謡)です【動画4】 。
ピアノを弾いていないちびっこは膝と手を叩く拍子叩きを中田先生と一緒にしています。 続いて三人のアンサンブルは「気のいいアヒル」、3拍子のリズム打ちです【動画5】。
先ほどとはウッドブロックの担当が替わっています。 さて最後のちびっこの連弾は「音階=ワルツ」(T.コルガノフ作曲)です【動画6】。
ピアノの音階に合わせて二人のちびっこは「ドー、レー・・・」と歌いながら手を膝やおなかにあてていきます。ハンドサインと音名唱です。高い「ドー」と歌いながらかわいい手を頭の上に一生懸命ぱっと広げている姿に思わず途中で拍手をしたくなりました。 アンサンブル最後の曲は「山の音楽家」です【動画7】。
先生のピアノに合わせて鈴とウッドブロックで2拍子を上手にリズム打ちしています。ピアノに合わせてお辞儀をした後また「ミッキーマウスマーチ」に合わせて退場【動画8】。
入場からちょうど9分、見事な時間配分でした。 中田先生にお話を伺ったら「普段のレッスンでしていることをステージに持ってきただけですから」とのことでしたが、易しいリズムから徐々に細かいリズムに発展し、鈴やウッドブロックの楽器を使うことで2、3、4拍子の拍子感を楽しく身につけていく教育的配慮がとても良く伝わりました。しかも、よく知られている曲が選曲されているので客席で聴いている子供達も楽しめたと思います。 親子連弾も1組ありました。「ピアノの経験がないのですが、いい思い出になればと思い練習しました。」というお母様のコメントと「さん~はい!」というやさしいかけ声から、ご家庭でのほのぼのした練習風景が目に浮かぶようでした。おうちの方のがんばって練習している姿を見せる事の子供への影響力はとても大きいと思います。 23ステップはもちろんとてもよく考えられたステップです。が、さらに幼児期をもっと細かく捉え、ピアノを習い始めたばかりの子供たちがこのようなステージを楽しむことからスタートすることは、とてもよい経験となり、23ステップへのスムーズな導入になると実感しました。 ちびっこステージが特別なステージではなく、誰でも(ちびっこも、おうちの方も)気軽に参加できる「プレ導入ステージ」として全国のステーションで広まることを期待します。
開催を終えて
お姉ちゃんがお稽古に通い、舞台に立っているのを見て、まだ小さい弟さんが興味を示したりしますね。それがお稽古の「始め時」なのではないでしょうか。「やりたい」気持ちが芽生えたときが、一番能力を伸ばせる時期です。そのときを見逃さずにキャッチして、よい音楽性を身に付けてもらいたいと思います。
ピアノをはじめたばかりの子どもの指導にあたる際、常に「どう育てたいか」というゴールから考えています。「リズム体操をする」「リトミックをする」といったことが目的ではなく、最終的にどのような力を身に付けて欲しいのか、(たとえば「耳、音感・リズム感・拍子感といった音楽性を育てたい」など)ということが明確になると、スタートで何をするべきかが見えてくると思います。
アプローチの仕方(=レッスン手法)は多種多様で、先生の数だけあるのではないでしょうか。レッスン手法が確立されても、そのまま変化させないのではなく、常に情報を仕入れ、工夫を重ねます。その時々の季節にちなんだ曲、子どもの中で流行っている曲などを用いて、子どもの興味を惹く内容にアップデートすることも必要ですね。
全国で行なわれている導入期教育の手法発表の場として、ちびっこステージがどのように展開されていくのか、とても楽しみです。