ピティナ・ピアノステップ

ステップと提携するコンクール~ステージ経験の更なる普及へ

フレッシュピアノコンサート審査結果発表中津AndieMusikピアノコンクール中津AndieMusikピアノコンクール

 写真は大阪中央支部・三木楽器の「フレッシュピアノコンサート」の審査結果発表のシーン(昨年12月25日)。発表前の独特の緊張感は、どのコンクールにも共通であり、また、コンクールでなければ味わうことができない。この特有の経験を積むことで、学習者は舞台に立つ力、人前に立つ力をぐんぐん養っていく。

 

昨年6月より、「ステップと提携するコンクール」として、ステップを開催する支部・ステーションが主催するコンクールの申込受付を、ピティナのホームページ上で代行するサービスを開始した。参加者がピティナのホームページから申し込んだ場合には、ピティナのステップ、コンペなどと同じく、継続表彰の基準である「ステージポイント」が加算される。

 これまで、5つのコンクールと提携し、累計で280名以上の参加者にご利用いただいた。「ピティナのコンペだけでなく、いろいろなコンクールが対象になることで、指導者としても生徒に応じての選択の幅が広がり、動機づけをしやすくなる」「インターネットだから、24時間いつでも申込の手続きができるのが便利」などの声が寄せられている。

開催第1号となったのは、大分県中津市の中津AndieMusikピアノコンクールで、参加者約200名のうち71名の方がピティナのホームページからエントリー。「きちんと弾けないとコンクールに出せないといって、せっかくの経験をさせなかったり、逆に子供を無理にひっぱってもダメ。指導者のほうがゴムのように柔軟になって、その日・その時の生徒に寄り添わなければ」と中津諭吉ステーションの宮原啓子先生は語る。ステップを開催するのも、コンクールを開催するのも、地域の指導者の、教育への情熱をもっとたぎらせたい、という想いがあるからだ。

 

かたや、年末に開催を終えた愛知ピアノコンクールは、参加者の6割近くにピティナの申込をご利用いただいた。愛知ピアノ研究会・代表の杉浦日出夫先生が語る通り、審査員と課題曲という「コンクールの生命線」に、すべてのこだわりを込める。参加者は、その難度の高い課題に真剣に取り組むという課程で、おのずと実力を磨き、努力しただけの評価が得られるということを体得する。高校、大学以上の部の充実ぶりは圧巻であるが、全体の運営がきわめて暖かな雰囲気の下で行われるのも印象的で、まさに27回目の開催という伝統のなせる業なのだろう。

 

1月14日現在、四番目の提携コンクールとなった埼玉県は和幸楽器の「和幸ピアノコンクール」の申込受付が終了し、平瀬楽器「第3回こどもピアノステージ」が申込受付中である。

 実際にご利用いただいた方のステージポイントの数を見てみると、20ポイント以上という方が何と全体の1割近くを占める。ステップ全体の参加者のうち、20ポイント以上を取得しているのは5.3%(2010年度経過)なので、提携コンクールの利用者は、実はステージ経験値が相対的に高いのだ。裏を返せば、ステージ経験が豊かな学習者ほど、いろいろなタイプのコンクール、舞台への挑戦を求めているということだろう。

この受付代行サービスを通して、各地の個性豊かなコンクールと協力し、「継続することの尊さ」をさらに訴っていきたい。そして、提携するコンクールがステップと響き合うことで、まだ実現されていない、まったく新しいステージの形が見えてくるのを期待したい。

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