こんなステージ、みつけましたー6~7月開催ステップのハイライト
2023年度のステップは7月末までに257地区開催予定です。
新型コロナウイルス感染症の類型が5類へ移行したことに伴い、ステップも徐々にコロナ以前の盛り上がりを取り戻しつつあります。
コンクールでも、発表会でもない、いつでも・どこでも・どなたでも参加できるステージであるステップ。
そんなステップだからこそ、ただただ演奏するだけではない、たくさんの心温まるエピソードが実はたくさん隠れているのです。
今回は6月、7月に開催されたステップから3つのエピソードをご紹介します。
6月11日(日)に開催された取手6月地区での出来事です。
参加者の祖母として来場していた伊藤悦子さんが、当日のプログラムで忘れられない名前を目にしました。グランミューズで参加していた細野千代さん(現在、継続表彰70回受賞者)です。
「ひょっとしたら、あの千代ちゃんかも・・・」
お二人は、高校1年の時にクラスメイトとして知り合いました。「とても、ピアノが上手で、私が歌う曲を、次々に初見で伴奏してくれました」と伊藤さん。 3年生でまた同じクラスになり、受験で一緒に上京されたそうです。大学は、別になりましたが、互いの結婚式に出て、その後も、贈り物をしあう仲だったそうです。「絵も、ピアノも、上手な(細野)千代ちゃんのことを、友だちながら、尊敬していました」(伊藤さん)。 でもこの10年は、完全に音信不通になっていたそうです。
最後に二人がお会いしたのは、「息子が幼稚園に入ってなくて、あちらには、乳児がいた頃・・・」とのこと。この日、取手♪音の架け橋ステーションにて、42年ぶりの再会が果たされました。
ステップの「プレ導入」では、楽譜に頼ることなく、自由な音や表現でピアノを弾いていただけます。
吉田祐子先生は、2月に行われた岡山でのステップ説明会の際、プレ導入に関する説明を耳にされ、森石麓(ろく)くんの演目『麓くんのロック』を思いつきました。
今回の参加にあたり、お教室で8回のレッスンを行いました。
最初にエレクトーンで、ドラムの音を鳴らしてロックのリズムを体験。
次に、先生がピアノ伴奏でロックのリズムを再現し、その上で、麓くんがメロディーを奏でます。
楽譜は作らず、ロックのリズムにのって麓くんが選んだ音を演奏するように打ち合わせました。
聞かせどころは最後、トレモロの「もしゃもしゃ~」、上から下降系グリッサンドを「ぴゅーーー」そして、「ドン」(キメ)の一打です。
練習開始当初は、最後のキメをなかなかそろえることができなかったのですが、練習するうちに麓くんも先生とタイミングを合わせるためのアイコンタクトができるようになりました。
3回目の参加となる今回、過去2回の先生との連弾で、アンサンブルの力もついてきていることが実感できる瞬間だったと、吉田先生も嬉しかったそうです。
リズムをとらえるのが得意で、弾きたい気持ち、表現したい気持ちが強い麓くんが、活躍できるステージになりました。
ご自身とピアノとのかかわりについて教えてください。
A. 小さい頃から音楽は好きでしたが、家が転勤族でなかなかピアノを習えず…。遅めなのですが、小学校6年生から習い始めて、今まで続けています。就職直後は職員寮で暮らしたため半年ほど中断しましたが、電子ピアノを寮に持ち込みました。
ステップ参加のきっかけを教えてください。
実はコンペから入ったんです。周りの人が皆受けていたので。
ただ、ピアノ友だちが何人か参加を始めたことや、初めて継続表彰100回を受賞された方がいらしたというニュースを見て、「こんなイベントがあるんだ」と思ってはいました。
その頃、デュエットゥ(木内佳苗先生、大嶋有加里先生)のCDが好きでよく聴いていたのですが、あるステップでそのおふたりがアドバイザーをなさると知り、勇気をふりしぼって参加してみました。
初めてのステップはどうでしたか?
「とって食われるのでは」と思うほど、ものすごく緊張しました…。弾く直前は「申し込まなければよかった」とさえ思いましたが、ひとまず楽しく終われました。
とても緊張されたのですね…!その後も継続して参加されていますが、どのような思いでステップに出られていたのでしょうか。
最初は仕事に追われていたこともあり、年に1~2回、先生に勧められたら出ていました。
そのうちに、ピアノサークルで知り合った友人が毎週のようにステップに出始めて、彼女に触発されて多く出るようになりました。「人前で弾くのが苦手だった友人も頑張ってステージを踏んでいるんだ。下手でもなんでも、出ることに意義がある!」と思えるようになりました。
その後、2015、6年ごろでしょうか、「先生の言われるがままにしか弾いていなくて、自分で表現を考えられていない」と限界を感じ始めて、悩みました。その状況を脱するために、友人から1年間和声や楽曲分析を習っている中で、分析した楽譜を提出してワンポイントレッスンも受けられる「アナリーゼステップ」を知り、参加してみました。シューベルトのソナタを全楽章分析して参加したのですが、それが本当に勉強になって、以降、皆勤賞を目指して毎回参加しています。
また、アンサンブル企画も見つけると出ています。ステップでは様々な企画があり、年間500箇所以上とたくさん開催されているので、自分に合った勉強をさせていただけるチャンスが多くあると感じます。
継続100回表彰を受けられた「ピアノの先輩」として、いまピアノを習っている子どもたちや大人の方に向けてメッセージをいただけますか?
メッセージですか!
お子さんに向けては、これから一時的に中断することがあったとしても、レッスンの頻度が少なくなっても、「とにかく続けてほしい」ということを伝えたいです。大人になって就職して、仕事以外のことをなにかやりたいな、とピアノを思い出したとき、幼少時に習った基礎は強みになります。そして、大人になったらいまとは違う生活をすることになるので、同じ曲でも見え方が違ってきます。
子どもの方でも大人の方でも、自分が音楽を奏でられるというのは宝物だと思います。自分だけの音楽を大切にして、末永くピアノとかかわり続けてほしいと思います。
素敵なメッセージをありがとうございました!
いかがだったでしょうか。 ステップの1つのステージを通して、さまざまな出会いやきっかけ、感動がうまれています。
この秋もステップは全国各地で開催予定です。既に申込が始まっている地区もありますので、お申込み忘れのないようお気を付けください。