ピティナ・ピアノステップ トークコンサート、全国に広がる音楽の輪
ピティナ・ピアノステップ トークコンサートは各地のステップと同日・同会場で開催される、入場無料のコンサートです。ステップ参加者の演奏の合間に、お子様連れの家族でも気軽に立ち寄ることができます。プロの演奏を聴くことができる企画としてもニーズが高く、豊かな音楽体験をさまざまな地域で提供しています。
トークコンサートは新型コロナウィルスの影響で2020年度に開催数が0地区となりましたが、2021年度30地区、2022年度190地区、2023年度248地区と徐々に回復してきております。
支部・ステーション | 開催数 |
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むなかたステーション | 32 |
郡山ステーション | 30 |
千葉外房ステーション | 29 |
山手支部 | 28 |
Yokohamaみらいステーション | 24 |
北大阪ステーション | 24 |
富士ステーション | 23 |
都城ステーション | 23 |
柳川支部 | 22 |
三河シーサイドステーション | 21 |
2022年度に申請した公益財団法人JKAの「2023年度競輪公益資金による体育事業その他の公益の増進を目的とする事業に関する補助金」に採択され、2023年度のトークコンサートは「JKA補助事業 学術・文化の振興のための活動」として実施いたしました。
特に大都市圏以外ではコンサートが少なく、プロの演奏を間近で聴く機会は地域格差が大きい状況があります。コロナ禍で失われたピアニストと地域の交流を再び取り戻す為、2023年度をトークコンサート復活年度と位置づけて申請を行い、今夏、補助金が入金されました。その一部を各ステーションに分配し、トークコンサート普及に活用して参ります。
今年の早稲田9月地区は、会場全体が参加者の音楽に対する情熱で満たされていました。スタッフと何度も打ち合わせを重ね、入念に準備し、当日は円滑な運営を目指しました。参加者同士の交流も見られ、重要文化財であるスコットホールの写真をじっくりと撮影される方も多く、充実した一日となりました。
2020年のステップではトークコンサートを予定していましたが、コロナ禍により中止となってしまいました。その後も、コロナ禍や会場の広さの問題から、トークコンサートの開催は難しいと考えていました。今回、初めて大きなホールをお借りできたことを機に、念願のトークコンサートを開催することになりました。
当日はトークコンサートアドバイザーとして、丹内真弓先生にご演奏いただきました。皆さまも知っているブルグミュラーの曲が、丹内先生によるマジックで、素敵で楽しくアレンジされて、キラキラとホールに響いて、参加者の皆さまも熱心に聴かれ、ホールの空気が変わるのを感じられました。オリジナルの曲名も面白く、大好評でした!
演奏だけでなく、演奏者の曲に対する想いを共有できる点が、トークコンサートの魅力だと改めて感じました。また、音楽の楽しみ方を再発見できる、素晴らしい機会となりました。
今後もトークコンサートを継続し、より多くの方に音楽の奥深さ、楽しさを伝えていきたいと考えています。
塩川正和先生による「ジャズの音楽をきいてみよう」と題したトークコンサートを開催しました。100席余りの会場は満席となり、普段聴けないプロの演奏を聴くことができ、大変貴重な経験となりました。
演奏曲は、ガーシュウィン作曲の「3つのプレリュード」、カプースチン作曲の「変奏曲Op.41」、そして塩川先生のオリジナル曲「黄昏のペトラ」と「美ら海―水納ビーチにて」でした。特に、オリジナル曲はオクターブ以上の音程を使わずとも、美しい響きや複雑なリズムで、どなたでも楽しめる曲でした。先生は、コンサートに参加された皆様に、ご自身のオリジナル曲の楽譜をプレゼントしてくださいました。貴重な贈り物に感謝いたします。
トークコンサートは「今回の先生はどんな演奏を聴かせてくださるのかな?」とステップに参加する生徒はもちろんのこと、参加しない生徒もコンサートの時間には会場にやって来るほど毎回ワクワク楽しみにしています。今回、ジャズコンサートを開催できたのは、塩川先生が「小さな会場でも楽しめるような曲」という私たちの要望に応えてくださったおかげです。また、先生ご自身の素敵なオリジナル曲を聴きたいというリクエストにも快く応じてくださいました。
普段、ジャズをあまり聴かない生徒たちも、塩川先生の迫力ある演奏に魅了され、終始目を輝かせていました。後日、ピティナのHPで岡山駅地下街のストリートピアノを演奏されている塩川先生を見た生徒たちは、「トークコンサートもかっこよかったけれど、この塩川先生もめっちゃカッコイイ!!」とジャズの魅力に気づいたようです。
いつもクラシックの曲を聴くことが多いトークコンサートでしたが、今回は初めてのジャズで、とても新鮮で楽しかったです!
2003年の初回から、毎年室内楽企画を実施しています。この企画を通じて、参加者同士が交流を深め、音楽を楽しむ場となっています。太田圭亮先生(ヴァイオリン)、原田哲男先生(チェロ)をはじめとするプロの音楽家にご協力いただき、今年で21年目を迎えることができました。 参加者には、まず弦楽器奏者によるレッスンを受けていただき、その後、リハーサルも兼ねた室内楽研修を経て本番に臨んでいただきます。長時間にわたるレッスンでは、ピアノ指導の佐藤美香先生も加わり、参加者一人ひとりと丁寧に曲作りを進めていきます。プロの音楽家との交流は、参加者のモチベーションを大きく高めています。
初心者から上級者まで、幅広い層の方にご参加いただいている人気のイベントです。室内楽研修から本番まで、長い時間を共にする中で生まれる一体感は、多くの参加者を魅了し、「また来年も参加したい!」と次の段階へとチャレンジされます。当日の時間割は、ソロと室内楽が同じ部になるように工夫し、ソロ演奏者にも室内楽を聴いていただけるようにしています。また、弦楽器奏者の負担軽減にも努めています。
毎年恒例の室内楽トークコンサートでは、今年は石黒美有先生がブラームスのピアノ三重奏曲を演奏してくださいました。ステップ前日の会場でリハーサルを行い、本番ではブラームスならではの深みと、石黒先生ならではの表現が光る演奏を披露されました。参加者だけでなく、ご家族や地域の方々も多数来場され、会場は温かい雰囲気に包まれました。
2日間開催時は例年1日目ソロのトークコンサート2日目室内楽のトークコンサートを実施しています。ホール予約や会場費などの制約はありますが、室内楽企画は子どもたちの音楽への興味を深め、毎年多くのリピーターを生み出しています。この貴重な機会を今後も継続し、より多くの方に音楽の魅力を伝えていきたいと考えています。
ステップを開催してもうすぐ20年。その間、数々の著名なピアニストのトークコンサートと共に年月を重ねて来ました。
忘れられないのは、先程まで講評を書いて下さった先生が、あっという間に演奏家に変身し、耳にしたことのある曲を同じピアノ?と疑うほど違う音質で弾いて下さるのを、目を輝かせて聴いている子どもの表情。
そしてある時は一般のお客様がたった30分のコンサートの為においでくださり、「ずっと昔、テレビで見た少年の演奏を聴いてその時からファンでした。市の広報誌で今日のことを知り、大人になったこの方の演奏を聴きたくて駆けつけました」との内容のお手紙を頂いた事もありました。
ステップやトークコンサートを通して、毎年さまざまな感動とドラマが生まれます。
地方は東京のように頻繁にクラッシックのコンサートに足を運べません。小さな子ども達でも30分位なら演奏を集中して鑑賞出来るので、コンサートでのマナー等はトークコンサートを通して少しずつ慣れてくれると良いな、と思います。そこで私は、レッスンで子どもたちに当日の感想を話す時間を設けています。回を重ねるごとに、言葉で表現できるようになり、集中して音楽を聴くようになるのが嬉しいです。
トークコンサートの先生方は、大きな舞台を経験されているにも関わらず、毎回緊張しながら準備されています。今日の30分のために、選曲し会話を考え、ぴったり時間にまとめる準備を想像して、頭が下がります。でも、トークコンサートという企画のお陰で演奏家は希望すれば、以前よりはるかに多く、舞台で自身の実力を発揮する場が増えて良い事だと思います。
これからもピティナのご協力を頂きながら音楽の楽しさ、素晴らしさを地域の皆様に伝えて行くために、ステップでのトークコンサートを大切にしていきたいです。