わたしのステップ遍歴 vol.3 鈴木 小夜さん
ステップ参加者インタビュー「わたしのステップ遍歴」第3回は、終了したばかりのHakuju Hallでの継続表彰コンサートに出演された、鈴木小夜さんです。
鈴木さんは50組の出演者中では、最多の57ポイントを得ての出場で、フォーレの組曲「ドリーから3曲を披露。連弾のパートナーは師事している高嶋麻企先生でした。コンサート直後、楽屋にてお話を伺うことができました。
ステージにあわせた地区選び
たくさんお客さんが来ていたみたいですね!
鈴木:学校の先生と、お友達が来てくれました。いつもより緊張してしまいましたが・・・、先生と一緒に楽しく演奏できました。
鈴木さんは、何と55回の継続表彰を受けられていますが、いつごろからステップに参加し始めたんですか?
鈴木:ピアノを3歳から始めて、それから1 - 2年後だと思います。
高嶋:最初に参加したのが、巣鴨ステーション(1998年設立)の初回ステップだったんです。ステップは、指導者としても1年に1度でいいかな、と思っていました。でも鈴木さんのほうから、春も受けてみたい、とか、コンペにあわせて受けてみたい、ということで回数が増えていったんですね。
まさにステップとともに成長してきた、という感じでしょうか?!そういえば先日の巣鴨のステップでは、郡司さんの100歳のお祝い会があって、お二人の「花のワルツ」が「花」を添えていましたよね。
鈴木:毎回「どういうステージにしたらいいか」を考えて地区を選んでいます。舞台で弾くことは、緊張感がありますし、目標があれば、やっぱり頑張れます。それに自分の演奏とほかの人の演奏を後から比べてみると、自分の欠点が見えてきますから、練習がはかどりますね。
「地区を選ぶ」ということですが、どのように?
鈴木:例えば、連弾を弾くときは、連弾の参加者が多いところとか、コンペの前は、コンペの参加者が多いところを選びます。そうすると、ほかの子も同じ課題曲を弾いていますので、勉強になります。
コンペに出る人の多い地区って、どうやって調べるの?
鈴木:それは、毎年そうらしいとか、そういうことです。
つまりウワサだね(笑)。でも周りの参加者がどう受けるか、ということも意識して地区を選ぶ、ということなんですね。面白いですね。先生にとっては、ステップに参加させることはレッスンに対してどういう意義を持ってきますか?
高嶋:周りの参加者が同じ課題曲を弾きますが、演奏の表情が皆違います。それを真似るのではなく、受けた刺激をレッスンや練習に活用し、生徒を客観的に距離をおいて見れますよね。これはステップでないとできません。
ステップで発信する役割も
高嶋:さらに、鈴木さんは、ステップで「発信する」参加形態、ということも心がけてきました。
横浜のステップ“エンジョーイ!ファミリーアンサンブル”ステージでは、4手、6手連弾、弦アンサンブル、また小さな参加者と一緒にリコーダー&ミュージックベルを共演してあげたりとか・・・。ああ、こういう演奏の仕方もあるのか、と参加者やお客様に刺激を受けてもらえれば、という気持ちでやっているようです。
鈴木:ステップコミュニケーションを全然知らない人から2回もらったことがあるんですが、「今日は聴かせてくれてありがとう」などと書いてあって、そのときは嬉しかったですね。アンサンブルは、ピアノで出せない音がすぐ間近に聴けて、その音にピアノの音を乗せて演奏できるのが楽しいです。ポピュラーやジャズみたいなジャンルにも挑戦してみたいですし、共演したことのない楽器とのアンサンブルも経験したいです。
ピアノ以外で頑張っていること、好きなことはありますか?
鈴木:今は英語のスピーチコンテストに向けて、準備を進めています。いつも2位なので、今回は・・・。頑張ります。舞台はステップのステージで慣れているから、あまり緊張しないで、堂々とできるようになってきました!
それはすごい!ステップがそんな風に役立っているとは嬉しいです。さて、将来の夢は何でしょう?
鈴木:音大を志望していた時期もありましたが、今は検察官になりたいと思っています。私、音楽はずっと続けていきたいんです。もともと法律関係に興味があったので、そういう仕事の勉強をして、かつピアノも続けていければいいかな、と思っています。
さっき高嶋先生がおっしゃった、鈴木さんが発信する役割に回っている、同世代の皆に刺激を与えている、というのがよくわかりました。今日はご出演、誠におめでとうございました。