ステップのトークコンサートアドバイザーとして大人気の田中克己先生。 2004年5月の金沢でのトークコンサート以来、30回以上もトークコンサートをされてきました。これはアドバイザーの中で最高記録。田中先生のファンは、全国各地に広がっています。

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田中先生はクラシックからポップスまで幅広いレパートリーが人気です。それぞれどのような思いで選曲されていますか？

最近では「ピアノのおもちゃ箱」と題して、子どもが楽しめそうな曲を数曲用意します。まず「セサミストリートのうた」では、「エルモ」と一緒に登場します。「エルモ」は僕のお気に入りのキャラクターですが、この曲を弾くときの応援部隊のようなものですね（笑）ブルグミュラーの「つばめ」は、実は僕にとって最初の発表会で弾いた思い出深い大事な一曲。初めてペダルを踏んで演奏したときのわくわくした気持ちが忘れられず、そのエピソードをお話しながら演奏します。ドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」は、みんなでリズムをたたいて参加してもらったりします。その他は田代ユリ先生のアレンジによる「故郷」。田代先生のアレンジは大好きで僕もよく弾きます。サン＝サーンスが人生最後に書いた作品「アルバムのページ」という曲、あまり知られていない曲ですがそれを弾くこともあります。「この曲を書いてペンを置いた」というエピソードがあります。ドラマチックですよね。

一曲一曲に選曲のわけがあるんですね。先生はトークにもとてもこだわっていらっしゃる・・・

初めは「トーク」というものに慣れなくて、演奏よりもトークで緊張しましたね。今では、トークをしながらのコンサートは、かなり楽しんでいます。演奏者というのは、聴衆が何を感じながら演奏を聴いているのかを常に感じながら弾いていますが、そこにトークが加わるとさらにコミュニケーションがン濃密になりますよね。/p>

田中先生のトークコンサートではいつもクイズが出されるそうですね？

はい、いつも演奏した曲に関するクイズを出します。「この曲をテーマ曲とするディズニー映画の主人公のお姫様の名前は？」「この曲に出てくる動物は何でしょう？」とか。時々当ててもらいたくて、自分で答えを言ってしまうことがありますが（笑）当たった子どもたちには、プレゼントも用意しています。この間はくまのぬいぐるみでした。「これをピアノの上に置いてね」というメッセージをこめて。

コンサート中は「アドバイザー」ではなく「演奏者」として

ステップのトークコンサートでは、アドバイザーから数分のうちにピアニストに転身されることになるわけですが？

トークコンサートの時間だけは、アドバイザーではなく一人の演奏者として語りかけることにしています。子どもたちから見て「あ、先生だ - 」というのを払拭したいんですね。講評の延長のように教育的な雰囲気にならないように気をつけています。みんなにくつろいで楽しんでもらえるように。「僕からのプレゼントだよ」という気持ちですね。