わたしのステップ遍歴 vol.4 吉岡正人さん
わたしのステップ遍歴」第4回は、大阪城ステップに「フリー15分」で見事なショパン「幻想ポロネーズ」を披露した吉岡正人さん(50歳)です。
普段は社長としてのお立場に忙殺される日々を送る吉岡さん。しかし昨年からは、ほとんど月1回のペースでステップに参加されているのですから信じられません。吉岡さんの演奏への動機がどのあたりにあるのか、探ってみました。
今日の演奏はいかがでしたか?
緊張しました。緊張しないのを目標に毎月出ているんですけど・・・。でもリラックスして思い通りに弾くのは難しいですね。
参加していると、お友達も増えたのではないかと思います。
そうですね。ジョイント・リサイタルの機会もありました。お互いメールでレッスンの様子を教えあったりとか。続けるのには励みになりますね。
吉岡さんがグランミューズ部門を受ける頃から、参加する層がぐっと厚くなってきました。
私は高校2年まで指導者について、その後大学でピアノサークルに入りましたが、ずっと独学でした。結婚して、長女が小学校にあがるときに、ピアノの先生を探しました。でも自分が見てもらうために探したようなものですけど(笑)。その先生に、2003年にピティナに出てみたらと言われたのが最初です。 そこからは、病み付きになりまして・・・。と同時に、社会人でもこれだけやっている人がいるんだ、と知りました。大学のピアノサークルの仲間は、表だってピアノの演奏活動をするのを止めてしまった人が多いから、まだまだ弾ける、弾きたい、という人たちは日本中にたくさんいるのではないでしょうか。
吉岡さんの場合、コンペが初めにあって、昨年になってステップに参加する回数が急に増えたようでしたが、何か理由はあったのでしょうか。
初めてコンペに参加したときは、大して緊張しなかったんですね。 ところがその後、ステージに出るたびになぜか緊張するようになってしまって、これはまずいな、と思うようになりました。 緊張しないで、自分の思っているように表現できたらいいというのが、私の目標です。ホールと自分とピアノとで、理想の音を奏でられればそれでいいのですが・・・、でも聞いている人がいれば、やっぱり、緊張しちゃうんですね。 特にコンクールでは、予選、本選と進むにしたがってお客さんも増えてくるし、しかも熱心に聴かれるようになるので、演奏する側としては、なおさら緊張を強いられます。 でも、コンクールで予選、本選などとステージが立て続けにあると、今度は少し落ち着いている自分がいることがわかった。 だから結論としては、普段からステージに出るのが一番いいと、今はステップに月1回ペースで参加するようになったんです。
社長さんでいらっしゃるということで・・・、大変お忙しいと思うのですが、練習はどれくらいされますか。
やっぱりステージで弾くとなると、早くまとめないといけない、ということになるので、練習するようになりました・・・。週末を中心に、週6時間くらいです。平日は疲れて、成果が上がっているのかどうか(笑)。休みの日にたっぷり寝てから練習したほうがいいですね。
参加する地区ですが、神戸西、びわこ南など関西のほかにも、全国のいろいろな会場でも出ていらっしゃいますね。
ホール情報を参考に、また、アドバイザーをチェックしながら選んでいます。音響的に気持ちよく弾ける場所を、探します。プロのリサイタルで使われるような会場で演奏できるのは素晴らしいですね。このドーンセンターも好きな会場です。
これまで出会ったアドバイザーについて何か思い出はありますか。
金子一朗さんの、楽譜の何小節目のここが、という詳細な突っ込みはすごかったです。今度、神戸西南地区でワンポイントレッスンを受けることになりました。 それから渡部由記子先生は、いつもやる気が出るようなことを書いてくださいます。この年ですけど、やっぱりそういうのは嬉しいんですよねえ。岡山の本田順一先生も有意義なコメントをくださいました。 大体、同じ年代の方が多いので面と向かって話もしやすいです(笑)。
吉岡さんのこれからの目標としては?
いま、ショパンに集中して取り組んでいます。ショパンを何曲かやったあとは、リストやシューマン、ラフマニノフに挑戦したいと思っています。還暦になったらピアノリサイタルをするのが夢ですね。その頃には緊張しないで演奏できるようになっているでしょうか?
この日のステップでは、見事アドバイザーから3つのブラボーを獲得した吉岡さん。還暦と言わず、夢のリサイタルまでは、あと少しだと思います。これからもステップへのご出演、お待ちしています!