わたしのステップ遍歴 vol.6 - 菊田美和子先生
参加者インタビュー「わたしのステップ遍歴」第6回は、富山県の指導者会員、菊田美和子先生です。菊田先生は、これまでに地元だけでなく、埼玉、東京、神奈川などでもステップに参加され、来るさいたま秋季地区では20回継続表彰を受賞予定。
このインタビューでは、そんな菊田先生に、「指導者が参加するステップ」という観点でお話を伺いました。(取材場所:練馬公民館/9月23日の練馬地区にて)
実際にステップに参加してみての感想を一言お願いします。
ステップは、とてもあたたかいです。どんなしくじりも許してくれます(笑)参加しやすいですね。見えない得がいっぱいありますよ。大きな会場で、メッセージがついて、知り合いができて。普段教えている生徒が多いので、休みがなかなかとれないですから、本当に息抜き、旅行がてら、出てきています(笑)
何人教えてらっしゃるんですか。
いま、教室に97人います。
それは一人で?
そうです。
じゃあ、ピアノを練習する時間なんてないですね(笑)
特に土日のレッスンが多いですね。働くお母さんが多くなっていますからね。ピアノの練習は週3回、1 - 2時間やる程度。夜の10時とか、11時とかからですね。
どういうきっかけでステップに参加するようになったのでしょうか。
昔、グランミューズ部門が「アミューズ部門」といわれる頃から、コンペに参加していました。全国大会でたまたま奨励賞を2年連続いただいて、それがきっかけでステップに出るようになったんです。 それから、実は賞をとったあと、スランプになって弾けなくなっちゃったんです。自分が弾けないのが悔しくて。今日はどんな調子かな?と毎回自分の調子を確かめるようにして出ています。いつかは長いスランプのトンネルを出れるだろうと思っています。
ステップに参加するときに地区を選ぶポイントはありますか。
ホールは選ぶようにしています。特に、バリオホールは、気に入っています。コンペに出たときに、弦をきっちゃいまして。その印象が強くて、何か、申し訳なくなって、そのピアノに愛着が湧いちゃったんです。
アドバイザーの先生について何か思い出はありますか。
いつも、特に傾向として男性の先生は、音楽の中味を厳しく評価して下さるので、参考になります。表面に出てなくても、心の動揺を見抜かれることもあります
。横浜の佐野幸枝先生は、何年かぶりに聴いた私のことを覚えていて、「あなたはいつも隣の音をつかんでしまう」と言われたことがあります。
かつて参加した地区と同じアドバイザーの先生探して参加する方もいますね。今日の練馬地区は、どんな目的で参加されましたか。
11月に教室の発表会があるので、そこで弾く曲を準備してきました。(この日演奏したのは、リスト「愛の夢 第3番」ドビュッシー「塔」「雨の庭」)
生徒さんにとっては何よりのプレゼントですね。教室の様子を教えてください。
生徒は、下は年少から、上は定期的に来る子で大学2年生まで。だいたい幼稚園生が2 - 3割ですけど、中学、高校になってもいるんですね。10年継続して通ってくれている子がぞくぞくいます。居心地がいいのかな? 私は趣味を極める、というコンセプトでやっています。凄い曲を弾く訳ではないんです。文武両道、部活動も、勉強もという感じで、ピアノも続けてくれています。 大きくなると、半分はピアノじゃなくて、私とおしゃべりにくるみたいです(笑)
さて、菊田先生が指導者としてステップに参加する動機は何でしょうか?
私は人間の持つ気、パワーを大事にしています。私が元気じゃないと、生徒に元気を与えられない。良くも悪くも気なんです。
私が演奏することで、私が凛とする。だからやめることはできない。ピアノだけじゃなくて、運動も勉強も、子どもたちにパワーを与えるためにですね。なんだか知らないけど、ピアノ教室に行くと元気になるなあ、そういうふうに思ってくれればいいんです。
生徒の生活にとって、ピアノがすべてじゃないですからね。
そうです。私がピアノが好きなんだ、ということを、じかに弾いて、体でわからせながら、ピアノを通して、努力すること、を学んでくれればいい、と思います。
100人近く教えている方が、そういうことを言うと、説得力がありますねえ。
プレッシャーに耐えられる強靭な心を培ってほしいです。ピアノがどうのこうのじゃなくて、人間力ですから。人のせいにしないで、自分で引き受ける。ステージというのはすごく緊張しますから、これができたら、あんたたち、なんでもできるよ、と。そういう自信を与えたい。陸上や野球をやっている子が「ピアノにくらべたら、何でもなかったよ」っていいますよ。 それから、失敗しても気にしない、というずうずうしさですかね。私がたくさん失敗して、そうだから、経験論なんですけどね(笑)
これまた、説得力ありますね(笑)。富山では、おかげさまでステップが盛んになってきました。どうぞこれからもステップに参加ください。今日はありがとうございました。