ピティナ・ピアノステップ

私のステップ遍歴 vol.7 今愛子さん

わたしのステップ遍歴
vol.8 今愛子さん

今愛子さん:1998年日立地区で初めてステップに参加。2008年秋、2歳年下の妹・範子さんとの連弾で30回表彰を受賞。写真はいっしょに歩んできた指導者の小川葉子先生(後列左)妹・範子さん(後列中央)母・貴美子さん(後列右)

小川葉子先生、今愛子さん、範子さん、母・貴美子さん 2008年秋 継続表彰30回目

ピアノと勉強の両立のコツとは?!

ステップに参加していて、一番大変だった思い出を話してください。

「高校生になってから70キロを2日間かけて歩き通す行事があったのですが、その2日目、帰って来た日がステップだったことがあったんです(笑)その時は階段で足が上がらなかったですね。友達にも『えっ!行くの今から!?』と言われました」

凄いですね。それで弾けちゃうというのは。

「疲れていて無駄な事を考えている余裕がないですから、逆にその分ピアノに集中できると思います」

(笑)そんな経験は絶対に大人になってから役に立ちますよ。来年は受験でしょう?

「そうですね...。3年生になってからもやってしまうかも知れません。中学3年生の時も受験ギリギリの2月までずっとコンクールやステップに出ていまして、ピアノと勉強を上手く両立出来ていました。だからこの調子で高校3年の時もいけるかなと」

凄いな(笑)その両立させるコツというのは何なのですか?

「あらかじめスケジュールを決めていました。帰ってきて6時位から8時位までピアノ、8時から10時位まで勉強、後は自由時間、とかそんな風に。あまり細かく決めてしまうと絶対に出来ないので大雑把に決めます。毎日同じことを繰り返していたら習慣になりました」

スケジュール通りに出来なかった日は?

「そうですね、記憶に残らないくらい、気にしません。『今日は今日だ』と考えるようにしています」

うーん、素晴らしい。でもさすがの今さんも、ステージにいよいよ出るという瞬間には、緊張で頭が真っ白になったりするでしょう?

「緊張はしてもいい緊張に抑えられるようになってきましたね。緊張はしているけど大丈夫だ、と自分に言い聞かせることが出来るようになりました」 

そういう力はピアノを通して培ったのですか?それとも他に何か...。

「書道をずっと続けていたんですけれども、やはりピアノからですね。人前に出るのはピアノだけなので。あとはもともと楽天的な性格だからかもしれません(笑)」

タフな精神はピアノのステージから

逆にピアノで学んだことを他にいかせているな、と感じることはありますか?

「学校で全校生徒の前でスピーチをする時とか、やはり精神面ですね。それと"職場体験"の時に、事前に知らされていなくて、いきなり訪問先へお礼の言葉をお願いしますと言われたことがあったんです。『えっ?私ですか?』みたいな感じでしたが(笑)何とか切り抜けられました。そういう時も緊張しているのは表に出さないんです」

これまた凄いですね。肝が据わっているというか。それこそピアノのステージと同じですよね。終わったあとの達成感も似ているかもしれない。

「弾いている間は咳払いとか、携帯の音がしていても全然気づかないくらい集中しています。拍手で自分の弾いた演奏が報われるというか、気分が上昇して、また弾きたいなという気持ちも出てきます。昔は人前に出るのが嫌だったんですが、今は楽しくて、中毒の様な感じです(笑)」

いつからステージが「やみつき」になってきたんでしょう?

「小さい頃は何も考えていなかったかな。練習にずっと親が付き添って、本番でも親がいるから緊張して弾くという具合でした。変わったのは小学3、4年生の頃からですね。自分一人で全部練習してやるようになりました。それからはミスをしても『あっ!怒られる!』とは思わなくなり、気にならないようになりました。間違えても『次に行こう!』と考えるとステージは楽しいです」

小3とか小4でそれに気が付くなんて早すぎです(笑)だからこそやめずに30回表彰までピアノを続けてこれたんでしょうね。

「でも葛藤もありました。中学校に上がる直前の時期は、区切りが出来たといいますか、その時にやめたいと母に言いました。でも母には即座に、とんでもない、続けることに意味があるのよと言われました。結果的には、続けてきたからこそ楽しさが分かったと言えますね。」

ありがとうございました。今さんは自分のことを楽天的とおっしゃいましたが、それは与えられた「性格」であるとともに、一日一日を大切にすることによって掴み取った「能力」なのだと思います。

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